個人再生Personal playback

個人再生とは

「個人再生」とは個人再生とは、2001年4月にスタートした制度です。
個人の収入に応じた再生計画を裁判所で認可してもらい、住宅などの財産を残したまま残りの借金を大幅に減額してもらうという手続です。
利用する条件として、

  • 01 債務総額が5,000万円以下(住宅ローンなどは除く)の個人
  • 02将来一定の収入を得ることが見込まれる

ということが挙げられます。

住宅ローン特則とは

「住宅ローン特則」とは住宅ローンの変更を認める制度です。
住宅ローンの支払いが滞ると、抵当権を実行され、住宅を失うおそれが生じます。
しかし、住宅ローン特則を含む再生計画案が認可されると、これに従って弁済すれば、住宅を失わずにすみます。
住宅ローン特則を使うと、住宅ローンの支払方法変更が認められることがあります。
残金は減額されませんが、残金の一括請求を待ってもらえたり、完済までの期限を延ばすことで月々の支払額を少なくしてもらうことができます。

ちなみに、この住宅ローン特則を使っても、支払期限の延長は最大10年です。
そして、70歳までには完済しなければなりません。
貸金業者さえ同意してくれれば、この条件も緩和することは可能です。

個人再生のメリットとデメリット
メリット
  • 住宅ローン特則を利用すれば、マイホームを手放さなくて済みます。
  • 取立行為の規制。司法書士に依頼した場合、その時点で貸金業者の取立行為が規制されます。
  • 返済のストップ。司法書士に依頼した場合、その時点より民事再生成立まで債務を返済する必要がなくなります。但し、裁判所によっては、返済資金のストックなどとして一定額の積み立てを求める場合もあります。
  • 利息制限法による引き直し計算により残元本の減額が行われます。
  • 利息制限法による引き直し計算により減額された元本を更に5分の1に減額します。但し、元本の5分の1が100万円より少ない場合は100万円までしか減額されません。
  • 過払い金の返還も場合によっては可能です。残元本以上の返済をしている場合は、過払い金の返還を求めることが可能です。
  • 個人再生のような、職業制限や資格制限がありません。

デメリット

  • 信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録されます。但し、銀行のキャッシュカードは作れますし、金融機関からの振込み、引き落とし等は通常通り行うことができます。
  • 官報に掲載されます。

Flow過払金返済請求の流れ

01

裁判所に申し立て

この時点で債権者からの取立てが止まります

02

再生手続開始が決まる

要件を満たし、書類不備がなければ手続開始が決定します

03

債権額の決定

債権額が異なっている場合、異議を述べることができます

04

再生計画案の作成

今後の支払方法を再生計画案に定めます

05

書面決議、意見聴取

給与取得者等再生手続の場合、書面決議はありません。

06

再生計画の認可

裁判所が認可し、確定することにより手続が終わります

07

返済の開始

再生計画案に則って、債権者へ返済を開始します